研究課題
本研究は,ノイトラの『Survival Through Design』に示された全論考を対象に,主題となる言説を抽出し,その主題のキーワードをいくつかの項目として示し,これらを主題の内容の階層構成という視点で分析し,それに即して,ノイトラの『Survival Through Design』における建築思想を,総体的かつ相対的に把握することを目的とするもので,特に本研究ではその主題の一つ,彼の時代認識に関する思想の特質を検討する.筆者は,これに準じた視点や分析方法により,シンドラーの建築思想を,彼の時代認識や空間構成の理念や方法,彼が提起した「空間建築」について検討を行なってきた.本研究では48章の約400ページにわたる大部の著書『Survival Through Design』を対象に,その内容やその位置づけを総体的・相対的に把握するため,奥山らの一連の研究にした.具体的には,『Survival Through Design』から,ノイトラの時代認識に関する言説,空間概念,さらに建築家の具体的展開としての方針や手法にいたる,彼の論考から主題となる言説を抽出し,主題のキーワードを,KJ法を参考に,いくつかの項目として整理するとともに,意味の階層構成という視点で検討した.これにより48章から1267の言説が主題として抽出され,それらの主題に基づくキーワードは61の項目に整理され,主題の内容を意味の階層性の視点から検討した結果,全体では,第1から第5水準の項目に分類された.中でも,第1水準としては,「時代認識」,「生理学的空間(biological space)」,「社会学的空間(sociological space)」,「建築家としての職能」の4項目が導かれた. 本研究では,この第1水準の項目【生理学的空間】,その中でも,まず《生理学的空間の重要性》について検討を行った.
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proc. Of 12th ISAIA, 2018, Korea
巻: 12 ページ: 710-714