研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は,アメリカ西海岸を対象に,そこでの建築思潮の形成と発展過程を,地域性と標準化の呼応という,従来,相容れないとされてきた点に着目し,その特性を導くことにより,環境との呼応という建築の持続可能性のあり方とその現代的意義を建築意匠論の点から明らかした.特に本研究では,アメリカ西海岸の近代建築を主導した建築家ノイトラの建築思想について幅広く総合的かつ相対的に取り扱い,これまでの研究成果との比較から.彼の思想を位置づけた.
建築意匠
アメリカ西海岸における近代建築の形成過程は,住宅を中心とし,その形成当初から,むしろ標準化とともに地域性を重視した建築,環境との呼応と重視した建築を創出してきた.近代建築は一般的に合理性を重んじた均質化・標準化された建築の創出を行ってきたとされるが,それは世界の画一化を招くという事態に陥ることとなる.建築の,そして地域の持続可能性が求められる現在,アメリカ西海岸における近代建築思潮の形成と発展過程の特性を明らかにすることにより,建築意匠論の立場から,今後の持続可能性のための視座を得た.