スピントロニクスの分野で着目されている、ハーフメタル型電子状態を有する4元系ホイスラー合金を探索し、電子状態を検証することを目的として研究を行った。CoVMnAlとCrTiVAl合金については多結晶試料を作製し、基本的な性質を調べるとともに、原子の規則度を調べるために粉末中性子回折測定を行った。その結果、一部のサイトが不規則化した原子配列をしており、従来の報告とは異なる結果が得られた。また、Mn2VAl、Co2MnSiの単結晶試料についてX線吸収分光測定や磁場中共鳴非弾性X線散乱測定を行った。その結果、これらの測定がハーフメタル的な電子状態を検証するのに非常に有力な手段となり得ることが判った。
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