等原子量および非等原子量高エントロピー合金や固溶体強度の濃度依存性が実測されている希薄および高濃度2元系合金群について原子変位量の第一原理計算を系統的に行うことで,「固溶強化量は構成元素の平均原子変位量に比例する」という仮説を検証し,希薄合金にしか適用できなかった旧来の固溶強化理論にとって代わる新たな包括的固溶強化理論の構築を本研究の目的とした.剛性率により規格化した強度と,格子定数により規格化した平均原子変位量との間には強い正の相関があり,ほぼ一本のマスター直線に乗ることから,元素数・合金系・溶質濃度レベルに依らず平均原子変位量がユニバーサルな固溶強度予測指標になりうることを明らかにした.
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