非鉛かつ非ペロブスカイト型構造の新奇強誘電体材料として注目されているHf0.5Zr0.5O2 (HZO) は、薄膜状態において広いHf/Zr組成域で空間群Pca21の直方晶の準安定相を形成しうるが、配向制御した試料を使った結晶構造や微細組織の研究が立ち遅れている。本研究では、基板による弾性的拘束に起因する自己弾性場を利用した固相エピタキシーにより、HZO薄膜のエピタキシャル成長に初めて成功し、薄膜中のナノ組織、直方晶相や共存する単斜晶相のドメイン構造を明らかにするとともに、固溶効果と弾性的拘束効果の二つの効果が直方晶相の相安定性向上に不可欠であることを見出した。
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