研究課題
前年度に開発したStarrydata2 webシステムを用いて、熱電材料のデータ収集を行った。研究業務員による収集に加えて、クラウドソーシングを活用したデータ収集も開始した。この結果、既存の熱電特性データベース(UCSB Thermoelectrics Data)の50倍以上となる、2500論文、15000試料以上の大規模実験値データベースの作成に成功した。本年度はStarrydata2に、多数のデータを視覚的にグラフ表示できるシステムと、データの一括ダウンロード機能、コマンド(API)による自動データダウンロード機能を搭載した。これにより、マテリアルズインフォマティクスの研究者が利用しやすい形で大量のデータを取得できるようになった。実験データ利活用の例として、Starrydata2上の鉛テルル系熱電材料の実験データ群を、ニューラルネットワークを用いて機械学習した。この結果、試料の化学組成のみからゼーベック係数などの熱電特性を高精度で予測することに成功した。これらは実験データの直接の機械学習が、物性科学の新発見につながることを示す結果である。Starrydataに収録された実験データの多くは未解析であり、今後他のデータ群についても同様の知見が得られると期待できる。Starrydata2データベースは世界に公開し、国内外の学会において高い評価を受けた。特に、民間企業からの高い関心を受け、熱電材料のほか、永久磁石材料やその他の機能材料に関する新規データ収集プロジェクトが開始した。今後、このようなデータ収集活動が大規模に広がり、論文上の実験データはデジタルに手に入るのが当たり前だという環境を実現したい。この目的のため最も先行しているのはStarrydata2 webシステムであり、今後も中心的な役割を果たしていくことが期待できる。
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Sci. Tech. Adv. Mater.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1080/14686996.2019.1603885
MATERIALS TRANSACTIONS
巻: 59 ページ: 1013~1021
10.2320/matertrans.E-M2018813
https://www.starrydata2.org/
https://starrydata.wordpress.com/
https://sites.google.com/site/yukarisearch/starrydata
http://starrydata.hatenadiary.jp/