本研究では、近年強く求められている電子機器の小型化・高性能化に貢献する方策として進められている強誘電体ナノ粒子の特性発現メカニズムをより詳細に解明することを目的として電子顕微鏡観察を行った。高精度で原子位置の決定が可能である走査透過型電子顕微鏡法(STEM)により測定した視野を多数枚接続することによって,ナノ粒子全体の原子位置を高精度で求めて,粒子内部の格子定数や原子位置の分布を明らかにすることを目的とした。市販のチタン酸バリウム(BaTiO3)粒子を観察した結果から,粒子の表面においてBaイオンが20 pm以上の変位を示すことが明らかとなり,誘電特性に影響を与えていることが示唆された.
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