研究課題/領域番号 |
16K14390
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 克郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (90397034)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MXene / ナノシート / 炭化物 / ドーピング / 電子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
MXene(メクセン、マキシン)は、近年出現した、高電気伝導性、高比表面積ののシート構造、多様な化学組成、官能基修飾された表面等の特徴を持つ新しい機能性物質である。本研究では、通常金属成分であるサイトに多様な化学組成、官能基改質など、部分選択制御の方法論を確立する。このような改変MXeneを電子構造や化学結合の観点から特徴を明らかにしつつ、水溶液系での酸素還元・発生特性への効果を実証することを目的とし、研究を進めた。 前駆体となるTi-Al-C系のMAX相への種々の遷移金属元素を添加し、これをエッチングによってMXeneに転換した際にも、MXene中に高く保持される元素の探索を行った。SPS法により、前駆体MAX相の合成条件の検討を行い、添加する元素ごとでの最適条件を得ている。前駆体およびMXene中へのドーパント保持量を評価した。その結果、いくつかの元素が有効であることが分かり、新しいMXeneファミリーとなることが分かった。 このようなナノシート化合物中へのドーパントの占有位置特定のためには、単純な回折法が直ちに適用できないため、電子顕微鏡法による特定に取り組んでいる。幾つかのドーパント系で検討を行い、個別の元素を特定する目途を得た。 硫化物系のMXeneの合成も試みた。本グループでの結論としては、アモルファス化により、MXeneを得ることができないという結論に至っているが、これに反する報告があるため、今後議論を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
どのような元素のドーピングが有効であるかは、未知の状態で探索を始め、結果として新しい発見を得ることができた。初年度中に本格的な酸素還元・放出特性の評価を行う予定であったが、年度末に評価系の目途を立てることができた。また協力研究者との共同研究も好適に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
ドーピング元素の、前駆体での占有位置やMXene中での占有位置を明らかにする。複数の元素について系統的なデータを得る。理論計算に前駆体およびMXene中の安定性や、電子状態を明らかにすることにより、特定の元素の占有や安定性の起源を明らかにする。また、表面官能基への影響と、実験によって得られる酸素還元特性への影響について明らかにする。
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