本研究では常温常圧で液体で、脱水素化により半導体SiCとなる液体の新物質「液体SiC」を合成した。本研究では、特に液体SiCの反応中間体(活性種)に関する情報を評価した。この知見は液体SiCの「液体→固体」変換過程における分子の状態や構造を追跡し、その膜物性をより高度に制御するための鍵となる。つまり本研究は「液体SiC」という新材料の創出に留まらず、「液体」からのアプローチを前提としたSiC半導体の研究に繋がってゆく。今後は反応中間体の同定と「液体SiC→固体SiC」変換過程の構造・状態変化の解明のもと、高品質な結晶薄膜の形成に取り組む予定である。
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