ナノ多結晶SiO2スティショバイトの破壊誘起アモルファス化の発見から、結晶からアモルファスへの直接転移による新奇な靱性強化機構が提案された。本研究では、主としてナノ多結晶スティショバイトの強度と靱性を、寸法の異なるミクロ力学試験により解析した。最大曲げ強度は6.3GPaであった。この結果はスティショバイトのアモルファス化の臨界応力がジルコニアのマルテンサイト変態の臨界応力よりもはるかに大きいことを示した。亀裂進展抵抗曲線(R-曲線)はわずか数マイクロメートルの亀裂進展で急激に増加し、10.9MPa m1/2に達し、強度と靱性を両立する靱性強化機構であることを実証した。
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