Fe-2Cu-0.9V-0.19C合金を用いて、フェライトに分散させたVC炭化物粒子の界面に軟質なCu相をin-situ析出させることで、硬質VCコアと軟質シェルからなる複合析出物を形成させる熱処理手法の検討を行った。まず、焼入れおよび焼戻しによってマルテンサイト基地中にVCを析出させ、その後VC+γ二相域まで加熱後、種々の冷却速度でγ→α変態させてVC界面上へのCuの析出を狙った。その結果、冷却速度が遅い場合にVC上へのCuのIn-situ析出が認められた。しかしながら、Cuは界面に核生成した後、特定の結晶方位に優先成長する傾向が認められた。Cuの形態の制御法の確立が今後の課題である。
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