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2016 年度 実施状況報告書

ソリューションプラズマによるβ-C3N4の合成と評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K14449
研究機関名古屋大学

研究代表者

齋藤 永宏  名古屋大学, 未来社会創造機構, 教授 (00329096)

研究分担者 上野 智永  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20611156)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードソリューションプラズマ / β-C3N4 / ヘキサメチレンテトラミン / 高硬度
研究実績の概要

β-C3N4はダイヤモンド以上の硬さを有する物質として、計算科学の見地から予見されてきたが、実際の合成には未だ成功していない。本研究では、液中のソリューションプラズマプロセスを用いてβ-C3N4の合成を試みた。平成28年度は、ダイヤモンドとβ-C3N4の合成を目指し、アダマンタンまたはヘキサメチレンテトラミンを出発原料に選択し合成した。まず、アダマンタンをヘキサンに溶解させ、ソリューションプラズマによる合成を行い、生成した材料をXRD、ラマン分光分析、TEMで評価した。しかし、ヘキサンから生成されるカーボンと同様の組成、構造が観察され、ダイヤモンドの存在は確認できなかった。また、ヘキサメチレンテトラミンをクロロホルム中に飽和溶解度まで溶解させ、ソリューションプラズマにより合成を行った。ソリューションプラズマ処理後、溶液中には大量の粉末が生成した。得られた粉末をSEM観察すると、数十ミクロンの中空六角柱の構造が多数観察された。XRD分析より結晶構造が確認され、分子性結晶を形成していることが示唆された。さらに、XPS分析より、元のヘキサメチレンテトラミンとは組成が異なり、Cl成分を含んでおり、これが結晶化して析出していることが分かった。この粉末を300℃で加熱すると黒色の材料となり低温で炭化が促進することが明らかとなった。この材料の窒素組成比率は、炭素に対し20%であり、XRDの構造解析より、アモルファス構造であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的としているダイヤモンド合成やβ-C3N4のソリューションプラズマによる合成可能性について、出発原料や溶媒を選択し合成実験を計画通り進めている。目的物質の合成には至っていないが、各条件で得られる合成物の評価を順次進めており、おおむね順調に研究を進めている。また、当初予想していなかったことであるが、ヘキサメチレンテトラミンを原料として、新たな窒化炭素系の材料を合成することができた。今後の研究の進展によっては、新物質の発見にもつながると考えられる。以上のことから概ね研究は順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

平成28年度に引き続き、ソリューションプラズマの溶媒や原料、プラズマの条件を変更し、物性への影響を評価する。ダイヤモンドやβ-C3N4は少量生成する可能性があるため、平成28年度で合成した材料の詳細な解析を進め、生成の有無を確認する。また、ヘキサメチレンテトラミンから合成した新たな窒化炭素系の材料について詳細な解析を進め反応の詳細や合成された物質の構造を明らかにする。また硬さや新たな機能の有無について評価を進める。

次年度使用額が生じた理由

当初年度については、原料材料及び合成材料の分子設計等が必要となり、計算による研究を進めたため。

次年度使用額の使用計画

今年度計画における合成実験のための原料の種類を増やし、その原料増額分に繰越金額を充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Solution Plasma Materials Processing from Natural Products2017

    • 著者名/発表者名
      Tomonaga Ueno, Nagahiro Saito
    • 学会等名
      TMS2017
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2017-02-28 – 2017-02-28
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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