金属や半導体など、非生分解性のナノ粒子を生体内で用いる際、粒子が体外に排泄されるためには粒径がシングル nm以下であることが必要だが、腫瘍組織への集積には100 nm程度が望ましい。このサイズのジレンマを解消するため、本研究では金ナノ粒子と有機半導体ポリマー蛍光ナノ粒子をビルディングブロックとして使用し、100 nm程度のナノ粒子集積体を作製した。作製された集積体は腫瘍環境に応答して一次粒子の状態まで分解した。これにより、腫瘍集積後の速やかな排泄が期待される。さらに、光増感剤を蛍光ナノ粒子中に封入することで、その光機能や抗腫瘍効果を腫瘍環境に応答して発現させられることを示した。
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