研究課題
防災時の上空監視や地質計測,さらには惑星探査のために超小型航空機(MAV)が開発されているが,その機構が複雑になるに従い正確に動作しないという危険性が指摘されている.本研究では推進系や電子制御系を有さず,機構が単純な竹とんぼを応用した探査機の開発を行う.このために,①発射台の構築と飛行実験時のデータ取得技術の確立,②低レイノルズ数領域での既存翼形状の評価と選択,および竹とんぼの飛翔体としての性能評価手法の確立,③熟練者のノウハウの設計知識化の3つのサブテーマを設定し,各研究内容の相互関係を鑑みながら研究を逐行した.①では,昨年度に製作した発射台の軽量化,および狭隘な空間での射出実験を可能にするための高性能化を試みた.軽量化と高性能化の効果により,持ち運びが容易,かつ一般的な室内での射出実験を可能にする発射台を完成させた.昨年度と同様に,主要な部品を,3DCADと3Dプリンターによって作成し,熟練者でなくても製作可能であることも示した.また,竹とんぼ型の飛翔体を作成し,射出実験を行い,発射台の性能を評価した.さらに,非定常流れの計測データの分析手法の高度化を試みた.この発射台,および高度化された計測データの分析手法により,様々な領域で活用が進められているMAVの翼型の設計サイクルを短縮できると考えられる.②では,2次元翼まわりの流れに対して,レイノルズ数と迎角の2変量のパラメータ空間での計算を系統的に行った.また,深層学習と主成分分析を利用した新しい低次元化手法を開発し,その方法により異なる物理パラメータでの非定常流れ場の定量的な比較が可能になった.これにより,異なる翼型まわりの非定常流れの詳細な分析が可能になり,飛翔体のより良い性能評価につながるものと考えられる.③では,異なる技量を持つ人の竹とんぼの飛ばし方を視線計測から分析し,ノウハウの設計知識化を試みた.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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