研究課題/領域番号 |
16K14504
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩本 剛 広島大学, 工学研究院, 准教授 (40274112)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 超高速衝撃材料試験 / テイラー式衝撃試験法 / 応力-ひずみ曲線 / 温度測定 |
研究実績の概要 |
宇宙構造物が受ける超高速変形領域において,使用材料の応力,温度,ひずみ速度-ひずみ関係等の熱・強度特性を,一度の試験で連続的に測定し,そのひずみ速度依存性の非線形挙動をあらゆる材料を対象に解明できるよう,テイラー式衝撃試験法の拡張・一般化を試みる.テイラー式衝撃試験法を用いれば,毎秒10の5乗の超高速度域における材料試験を簡単に実施可能であり,一度の試験でただ一点の応力,ひずみ,ひずみ速度関係が測定可能であるが,本手法での力学特性測定には,膨大な試験回数と低ひずみ域での測定が必要である.また,応力は運動量保存則を用いて理論的に算出されるため,適切な式の選択が必要である.本研究では,テイラー式衝撃試験法を一般化し,ただ一度の試験実施により超高速域における材料の応力,温度,ひずみ速度-ひずみ関係を同時に得る方法を提案し,その有効性を商用コードを用いた有限要素解析等により検証する. 本目的達成のため,平成28年度には,検力装置を製作した後,分割式ホプキンソン棒法や材料試験機による外力検定を実施し,衝撃外力の測定可能最大値や持続時間等の仕様を満足することを確認した.その上で,既開発のテイラー式衝撃試験法試験装置に組込み,外力の時刻歴を計測した.続いて,測定値の妥当性を検討するための実験を実施した.さらに,変形中の温度測定を試みるため,パラボラ鏡や赤外線光電素子を用いた光学的手法を応用した試験装置を設計し,装置に組み込むよう準備した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無理のない計画と特段研究の遂行に問題がなかったことによる.
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今後の研究の推進方策 |
⑤破砕しないサボおよびランチャーの設計・製作 サボとは試験片が剛体壁に対して垂直に衝突するように設ける付属部品であり,試験片に変形拘束の影響がないよう衝突と同時に破砕することが要求される.一旦破砕が発生すると,破砕片によって変形の時刻歴が高速度カメラにて追跡が困難であるので,TI 法試験において重要な役割を担うサボを,破砕しない材質に置き換え可能なようランチャー部とともに設計する. ⑥高速度カメラによるひずみ速度・ひずみ計測とSS 曲線の取得 高速度カメラを使用し,試験片が剛体壁に衝突する動画を撮影する.動画から各コマを切り出し,時々刻々の画像に映し出される試験片の形状から,ひずみ及びひずみ速度を計測し,ひずみ・ひずみ速度-時間関係を得る.その後,前年度までで計測した外力ならびに温度波形と併せて,SS曲線,ひずみ速度,温度-時間関係を一度の試験で得ることを試みる.同時に,純アルミならびにアルミ合金に関して,ひずみ速度依存性の非線形性について検討し,過去にミニチュアSHPB 法で得られた結果とともに議論する. ⑦有限要素法やデジタル画像相関法による測定値の妥当性検討 シミュレーションにおいて必要となる試験に用いた純アルミの材料特性を取得するため,準静的からSHPB 法による衝撃圧縮試験を実施し,また,温度-応力関係も,当研究室保有の恒温槽による温度管理が可能な試験装置にて採取する.摩擦の影響を除去した後,適切な応力-ひずみ,ひずみ速度関係を記述できるモデルを仮定した上で,フィッテイングによりモデル中の各パラメータを決定する.その上で,商用コードを用い,有限要素モデルを作成し,適切な境界条件の上で,全ての実験を計算機中で表現する.一方で,デジタル画像相関法によるひずみ場の測定も実施し,測定値の妥当性を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
温度測定を試みる際,光学的手法により出力を大きくする必要があることがわかった.このため,必要な装置の導入に予算を計上することによる.
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次年度使用額の使用計画 |
必要な装置を導入する.
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