本研究は災害救援と通信利用を目的として太陽光発電を用いた長時間滞空型無人機システム(UAS)の構築に機体システムに関する要素技術を開発することを目的とします。これまでの研究成果に基づいてH30年度に次の内容を実施し、研究目的を達成しました。 今年度に重点的に機体軽量化の研究を行いました。機体設計を全面的に見直した。太陽電池モジュールと機体を同時に設計し、サイジング最適化設計を行った結果は、主翼形状、lifting-body胴体形状、V字尾翼形状、配置関係、総重量など主要諸元を決めました。製作プロセスにおいてはさらに構造軽量化を図って、これまでの研究成果に基づいて適所適材に木材、航空べニア、樹脂、CFRP、などを併用しました。最終的に製作した機体の総重量は2kg未満となり、軽量化に成功しました。性能解析予測と飛行テスト、いずれも本機体は充分な長時間滞空性能を持つことを確認できた。 推進システムに関してコンピュータによる性能解析と地上推力テストを実施し、特に本機体に適したモータとプロペラの組み合わせを決定しました。同時にプロペラ設計を試み、推進性能を確認しました。 太陽電池モジュールに関して地上テストを行い、単独性能と推進システムの組み合わせ性能を計測しました。獲得した詳細なデータに基づいてパワーマネジメントシステムを調整し、電力システム効率の改善を行いました。MPPTについて経費節約のため、市販製品を導入し、パワーマネジメントシステムに組み込みました。
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