エネルギー消費削減にはエネルギーのカスケード利用が必要で、その実現に「潜熱蓄熱法」は有用である。従来の潜熱蓄熱法では放熱時の蓄熱剤凝固層生成による伝熱速度の著しい低下が問題である。本研究では回転伝熱管および固定羽根により伝熱管表面を機械的に更新する「凝固層剥ぎ取り型高速熱交換潜熱蓄熱槽」を提案した。蓄熱材 1 kgを搭載した試験装置を開発し、放熱時の凝固相剥ぎ取り現象の観察、放熱/蓄熱速度に及ぼす伝熱管回転効果を検討し、従来の間接式熱交換式に相当する無回転条件と比較し100倍以上の伝熱速度を有し、その効果が放熱率約80%以上まで持続することを明らかにした。
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