発電システムの試設計を行い、そのシステムを使って、実際に得られる発電量の評価を行った。 電磁誘導を用いた発電システムの設計 これまでの研究成果から発電システムを考案した。冷熱源によりガドリニウムを冷却19℃以下まで冷却し、強磁性体となったガドリニウムの磁化を用いて電磁誘導が起こり、ソレノイドコイルに電気が発生する。その際の起電圧と変化する時間を測定して、電流量の測定を行った。また、出力についてはガドリニウム内の伝熱速度に大きく依存することから、冷却水の温度やガドリニウムと冷却水の量を変更し繰り返し実験を行い測定した。 設計システムの効率比較と更なる高効率化に向けた課題抽出 試設計したシステムの発電量と本システムが温度-エントロピー線上に描く、サイクル線図を比較して、システムの効率について検討を実施した。本システムが描くサイクルは顕熱からの発電に適したトリラテラルサイクルに近づくことが確認された。しかしながら、トリラテラルサイクルを描くにも関わらず、現状として得られる発電量は非常に小さい。その理由について検討した結果、冷却により強磁性体となった際に与える磁場が小さく、磁気モーメントの変化が十分でないために、発電量が小さいということを確認した。また、各検討の結果から本システムの運転手法について検討を実施した。 以上の検討により、サイクル線図による理論設計から物理化学現象の把握と発電システムの設計を実施した。
|