研究課題
電位依存性プロトンチャネルについては、更に最小ユニットを同定するため、S1-S2の細胞外領域を更に大きく欠失させたウニVSOPを作成したところ電流が出現することを確認した。これらの欠失にS4下流での欠失を合わせて行うと、電流量を大幅に減少させてしまうことから、S4下流に構造を残す必要があることが判明した。一方前年度までに明らかにしたホヤ由来精子特異的カチオンチャネルCi-CatSper3の電位センサードメイン領域についてS1-S2とS3-S4の2箇所にヒスチジン変異を導入し、亜鉛感受性の変化を調べたところ、有意に電流の亜鉛への感受性が上がった。電位依存性プロトンチャネルと同様に、S1-S2とS3-S4が近接していることが判明した。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、光遺伝学分子ツールを構築するため、電位依存性プロトンチャネルVSOPと新規Ca透過性電位センサーについて、イオンチャネル最小機能ユニットの同定を行ってきた。VSOPについては現在のところほぼ最小ユニットの特定に成功したと考えている。新規Ca透過性電位センサーについてようやく論文化に漕ぎ着け、アミノ酸変異導入実験にも成功した。
VSOPについては、S1-S2ループの深い切り込みに成功した。一方でC末端側領域は糊代部分の存在が発現量の確保に必要であることから、これ以上の短縮化は困難であり、最小化はほぼ一段落したと考えている。これを元に光感受性ドメインとのキメラ分子の作製とアミノ酸変異導入を行って有効な分子ツールの開発に繋げる予定である。
(理由)研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したが、当初の見込み額と執行額は異なった。(使用計画)研究計画に変更はなく、前年度の研究費を含めて、当初の予定通り計画を進めていく。
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