我々は縫線核からの海馬への入力が脳状態を規定していると仮説を立てた。マウス正中縫線核からの海馬へ投射するセロトニン神経軸索にG-CaMP6を発現し、二光子顕微鏡で観察した。マウスはトラックボール上を自由に歩行し、特定の場所に来ると報酬が与えた。その結果、縫線核から海馬への投射線維は歩行開始時(つまりθ波期の開始)に一致するものと報酬に一致するものの2種類があることがわかった。次に、チャネルロドプシンを縫線核セロトニン神経に発現した上で海馬局所にて刺激を行なった。報酬における歩行速度が遅くなり、報酬の情報を強化しているのではないかと想定された。
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