大脳皮質を構成するニューロンは共通の投射標的をもつ6層のニューロンを領野ごとに修飾し、複雑かつ秩序だった3次元の神経回路をつくることで視覚・体性感覚・聴覚等の高次の知覚を発現する。この知覚神経回路の構築には内因性の遺伝子プログラムに加え、末梢感覚器官からの神経入力が重要な役割を担うと考えられているが、その寄与については不明な点が多く残されていた。本研究では、知覚神経回路形成過程の入力依存性を明らかにするために、順行性シナプス移行型のウイルスベクターによる入力の可視化および神経活動の制御を行い、神経活動依存的な大脳皮質神経回路構築機構について新たな知見を得た。
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