一般的に、興奮性シナプスがつくられる樹状突起スパインは子どもの時期に劇的に増えた後、思春期にかけて徐々に減少していくと考えられている。しかしながら、これまでニューロンの樹状突起全体に亘って、スパイン数がどのように変化していくのかを正確にとらえた研究はなかった。そこで、我々は超解像顕微鏡を使って、SeeDB2で透明化した脳標本の解析を行った。その結果、大脳皮質5層ニューロンのapical dendriteでは、樹状突起スパインに極端な偏りがあることが判明した。スパイン密度が極めて高い「ホットスポット」は、思春期にNMDA受容体依存的にスパインが集積することで形成されることが判明した。
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