マウスの横行大動脈狭窄モデルの心筋におけるSigma-1Rの発現低下とSigma-1R作用薬 SA4503の改善効果を調べた。心不全の進行に平行してSigma-1Rの心筋での発現は著しく低下した。SA4503(0.1-1mg/kg)の経口投与は用量依存性にSigma-1R発現とミトコンドリアATP産生能を回復させ,心機能を改善した。Sigma-1R発現低下は脳神経細胞でも観察され,SA4503の慢性投与は低下した脳機能も改善した。今後は,Sigma-1R(E102Q)変異マウスの脊髄運動神経および中枢神経でのミトコンドリア障害を解析し,ミトコンドリア治療薬の効果を動物モデルで検証する。
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