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2017 年度 実績報告書

ヒト嗅覚受容体の新規リガンド同定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K14576
研究機関東京大学

研究代表者

竹内 春樹  東京大学, 大学院薬学系研究科, 薬学部研究員 (70548859)

研究分担者 中嶋 藍  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (60706331)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード嗅覚 / 嗅覚受容体 / リガンド
研究実績の概要

匂いの知覚は、匂い分子が嗅覚受容体に結合することによって生じる。嗅覚受容体遺伝子は生物種ごとにレパートリーが大きく異なっており、ヒトの匂い受容のメカニズムを理解するには、ヒト嗅覚受容体の機能を解析することが不可欠である。ヒトゲノムには、約400 個もの嗅覚受容体遺伝子が存在するが、技術的な制約によりそれらの殆どは未だリガンドが明らかとされていない。本申請課題では、この状況を打破するべく、ヒト嗅覚受容体の新しいリガンドスクリーニング法の確立を目指した。
これまでヒト嗅覚受容体のリガンドが同定されてこなかった理由として、従来の培養細胞を用いたアッセイ系では機能的な嗅覚受容体が発現しないということが原因となっていた。これに対して本申請課題では、【1】ヒト嗅覚受容体を内在性の状態に近い環境、すなわちマウス嗅細胞に発現させる、【2】ヒト嗅細胞自体をin vitroで作出するという二つの方法を提案した。
【1】に関して、マウス嗅細胞にウイルスインジェクション、遺伝子改変動物の作製という2つの方法を試みた。ウイルスには、アデノウイルス、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルスの三種類を試したが、どれも細胞毒性、感染細胞数の少なさ、ウイルス由来の遺伝子の発現レベルの問題によりリガンドスクリーニングを実施するには至らなかった。また、遺伝子改変動物に関しても、トランスジーン由来の嗅覚受容体遺伝子を発現する細胞が、週齢を追うにつれ減少していくという現象によりリガンドアッセイの実験には至らなかった。
【2】に関して、直接変換法に習ってヒト由来の線維芽細胞にレンチウイルスを用いて複数の転写因子を同時に導入することで嗅細胞を作出することを目指した。マイクロアレイ解析を行い嗅細胞の遺伝子発現プロファイルから候補となる転写因子を約20種類同定し、どの遺伝子の組み合わせが嗅細胞の誘導に必要であるかを現在検証している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Nrp2 is sufficient to instruct circuit formation of mitral-cells to mediate odour-induced attractive social responses2017

    • 著者名/発表者名
      Inokuchi Kasumi、Imamura Fumiaki、Takeuchi Haruki、Kim Ryang、Okuno Hiroyuki、Nishizumi Hirofumi、Bito Haruhiko、Kikusui Takefumi、Sakano Hitoshi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 8 ページ: 15977~15977

    • DOI

      10.1038/ncomms15977

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Quadruple Immunostaining of the Olfactory Bulb for Visualization of Olfactory Sensory Axon Molecular Identity Codes2017

    • 著者名/発表者名
      Ihara Naoki、Ikegaya Yuji、Takeuchi Haruki
    • 雑誌名

      Journal of Visualized Experiments

      巻: 99 ページ: 99-100

    • DOI

      10.3791/55893

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Patterned, but not synchronous spontaneous activity of developing olfactory neurons regulates olfactory receptor-specific axon sorting2018

    • 著者名/発表者名
      Nakashima Ai, Ihara Naoki, Ikegaya Yuji and Takeuchi Haruki
    • 学会等名
      Keystone Symposia A2: State of the Brain: Genetic Dissection of Brain Circuits and Behavior in Health and Disease
    • 国際学会
  • [学会発表] Sharp wave-associated activity patterns of olfactory cortical neurons in the mouse piriform cortex2018

    • 著者名/発表者名
      Katori Kazuki, Manabe Hiroyuki, Ikegaya Yuji and Takeuchi Haruki
    • 学会等名
      Keystone Symposia A2: State of the Brain: Genetic Dissection of Brain Circuits and Behavior in Health and Disease
    • 国際学会
  • [学会発表] 梨状皮質の神経活動パターン解析2018

    • 著者名/発表者名
      竹内春樹
    • 学会等名
      The 5th Chemosensation and Behavior Workshop
  • [学会発表] 自発的な神経活動に依存した嗅覚神経回路の形成メカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      竹内春樹、中嶋藍、伊原尚樹、エルドンフ、池谷裕二
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス嗅覚系の神経回路の堅牢性に関わる軸索選別分子の発現2017

    • 著者名/発表者名
      野仲航司、中嶋藍、伊原尚樹、井ノ口霞、エルドンフ、池谷裕二、竹内春樹
    • 学会等名
      日本分子生物学会
  • [学会発表] 嗅神経の自発活動パターンによる回路形成の制御2017

    • 著者名/発表者名
      野仲航司、中嶋藍、伊原尚樹、池谷裕二、竹内春樹
    • 学会等名
      第17回東京大学生命科学シンポジウム

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公開日: 2018-12-17  

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