マウス胚にウシ由来の異種ミトコンドリアを混入させたウシ-マウスミトコンドリアヘテロプラスミー胚 (mtB-M胚) を胚移植しても、着床痕もみられず着床能は完全に欠落している。本研究では、mtB-M胚の栄養膜幹細胞 (TS細胞) 形成能を調べ、mtB-M胚の着床不全の原因を探った。 mtB-M胚でTS細胞樹立能を調べたところ、mtB-M胚では細胞の樹立の指標である継代5回目までコロニーを維持することができなかった。以上より、mtB-M胚では栄養膜細胞の機能が維持できないことが判明し、これが着床不全の原因の一つと考えられた。
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