研究課題
マウスでのイメージングを実施した結果、予想外に手法としての技術的な問題がいくつか明らかとなってきた。そこで、テーマ1、テーマ2は進めながらも将来にむけて、十分に基礎的な技術検討を実施することに注力することにした。それによりテーマ3については、マウスも樹立途中であり、十分に実施できなかったが、テーマ1、2の技術的な問題の解決をみた。1. 神経活動非侵襲イメージングマウスの樹立:28年度に生まれたマウスのcre/FLPeによる組換え、iRFPの発現、Doxに対する応答性の確認を進めた。その結果、分解調節による蛍光強度差が細胞レベルでの予想よりも小さく、蛍光強度を得られておらず、目的にあうラインを確立するところまではいたらなかった。また、実際に神経活動のイメージング評価の前に、位置が特定できている状態での近赤外蛍光の検出感度、解像度など手法としての特性を十分に評価しておく必要があることが明らかとなった。そこで急遽、予定とは別の手法で脳内深部の特定の部位に iRFPを安定発現させる手法の開発を試み、確立することができたので、深部マッピングの技術的な面を検証した。また、以前より脳内に近赤外の自家蛍光が見出されることも問題となっていたので、脳内の部位と自家蛍光の相関を解析し、特に輝度の高い領域を特定した。2. 光音響イメージング技術の確立と髄鞘化の進行過程における脳機能マッピング:頭蓋骨越しの撮影で十分に蛍光も光音響もシグナルがひろえることがわかった。ただし、光音響の解像度などの詳細なイメージングデータについて解析を進めたところ、発現が高すぎることによる信号の偏りなど、計測方法の不利な点も明らかとなった。この問題を解決するためには、マウスを樹立する段階から、発現レベルのみならず、対象における蛍光の分布など、適する系とそうでない系をある程度予測して樹立方法を使い分ける必要があることが明らかとなった。
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