研究課題
新しいゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9法を用いて、Traj18欠損マウス(CRISPR-Traj18-/-)の樹立に成功した。従来のESへのgene targeting法によって樹立されたTraj18欠損マウスは、Traj18のみならずその上流のTrajの発現も認められず、T細胞レパトアが60%減っていたが、RNA-seq解析の結果、CRISPR-Traj18-/-のT細胞レパトアは正常で、抗原提示分子CD1d拘束性のインバリアント・ナチュラルキラーT(iNKT)細胞特異的欠損マウスの樹立に成功したことを明らかとした。iNKT細胞の肥満における影響を明らかにするため、高脂肪食負荷による役割を検証した。その結果、CRISPR-Traj18-/-マウスでは野生型マウスと比べて体重の増加、インスリン抵抗性、グルコース応答性の減弱が認められ、iNKT細胞が肥満やそれに伴うⅠ型糖尿病の増悪に寄与していることを明らかとした。これまでの知見ではCd1dKOでは上述と同じ結果であるが、Traj18欠損マウスでは野生型とほぼ同等の結果が得られていたことから、CD1d拘束性でiNKT細胞ではないtype II NKT細胞が増悪に寄与していると考えられてきたが、これについて再考する必要があるという結果が得られた。本研究はScientific Report誌にアクセプトされた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件)
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