本研究は、免疫不全マウス(NOGマウス)にサル骨髄造血幹細胞(rHSCs)を移植し、サル細胞を体内に持つマウス(サル化マウス)を作製し、このマウスにサル免疫不全ウイルス(SIV)を感染させ、その病態を観察することにより、新たな小動物モデル実験系の確立を目指した。 rHSCs移植後、マウス末梢血中にサルCD4陽性T細胞が持続的に検出され、サル化マウスが作製できることがわかった。さらに、病原性の異なるSIVを感染させたところ、各々のSIV感染でサル個体に認められる病態と同様の症状がサル化マウスでも観察された。以上から、AIDSの病態研究にサル化マウスが利用できる可能性が示唆された。
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