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2016 年度 実施状況報告書

デグロンシステムを利用した全能性幹細胞樹立の試み

研究課題

研究課題/領域番号 16K14594
研究機関京都大学

研究代表者

杉原 一司  京都大学, 医学研究科, 技術職員 (10377418)

研究分担者 成瀬 智恵  京都大学, 医学研究科, 助教 (30372486)
浅野 雅秀  京都大学, 医学研究科, 教授 (50251450)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマウス / 発生 / 初期胚 / デグロン
研究実績の概要

マウス初期胚の状態を維持できるような遺伝子を検索することを目的として,マウス初期胚において,外来遺伝子を時期特異的に強制発現させるシステムの構築を行った。受精後1日目までは発現せず,2日目より速やかに外来遺伝子を強制発現させるためにデグロンシステムを用いた系の構築を試みた。当初,オーキシンデグロンシステムを用いる予定であったが,ヒトおよびマウス培養細胞で発現させたところ期待通りの発現制御が困難であった。そこで,別のデグロンシステムの検討を行った結果,マウスES細胞,マウス胚繊維芽細胞,293T細胞,HeLa細胞においてデグロンシステムAを用いた場合に期待どおりの制御が可能であった。現在,マウス初期胚においてデグロンシステムAを用いた遺伝子発現制御が可能かどうかを確認しているところである。さらに,マウス初期胚において8細胞期に特異的に発現している遺伝子を導入しようと考え,公的データベースの検索および解析を行い,4-8細胞期に発現が上昇し,桑実胚期に発現が減少する19遺伝子を抽出した。また,この時期の転写に関連すると考えられる18遺伝子を抽出した。これらをマーカーとしてマウス初期胚の状態が維持できているかをモニタリングすると共に,これらの遺伝子を強制発現することで初期胚の状態が維持できるのではないかと考えた。現在,マウスC57BL/6J系統胚において上記37遺伝子の発現変化を確認しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初使用予定だったオーキシンデグロンシステムは期待どおりに使用することが困難であったが,代替システムを導入することで目的とする制御が可能になる目処がついた。また,候補となる遺伝子の抽出もでき,実際に使用するマウス系統での確認作業に入っている。

今後の研究の推進方策

マウス胚においてデグロンシステムAを用いた遺伝子発現制御が可能であるかどうか,まず,蛍光タンパク質マーカーを用いて確認する。マウスC57BL/6J系統胚において,マウス初期胚状態を維持する候補遺伝子の発現変化を確認したら,8細胞期特異的に発現が上昇する遺伝子をマーカーとして実験系を構築する。マウス初期胚状態を維持する候補遺伝子を導入した時にマーカー遺伝子の発現が上昇するかどうかを解析する。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子組換えに使用する酵素やキットはキャンペーン期間に購入するなどして安価に入手することができた。さらに,ゲノム編集やギブソンアセンブリなど,新しい技術を取り入れたことで,実験の成功率が上昇し,費用を抑えることができた。しかしながらマウス胚を用いた実験が計画通りに進まなかったため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

ベクターの作成は順調に進んでおり、次年度はマウス胚を用いた実験を多く行うため,動物購入費用に充てる。また,デグロンを使用して動物個体で遺伝子発現を行う系について学会発表を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 京都大学大学院医学研究科実験動物学研究室

    • URL

      http://www.anim.med.kyoto-u.ac.jp/research/index.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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