本研究課題では、我々が開発した『情報基盤多重モニタリング法』(特許第5468073号)による網羅的定量プロテオミクスシステムを駆使して、低酸素における各モデル細胞の代謝酵素の発現量情報を定量的に取得することで、低酸素応答の代謝システムの分子機構の解明を目的としている。研究期間内にモデル細胞〔増殖期・がん化・老化・静止期(G0期)〕をヒト正常線維芽細胞から樹立することができた。さらに低酸素または通常酸素濃度下におけるモデル細胞の約1,000種類の細胞内代謝酵素に関して情報基盤多重モニタリング法によるタンパク質絶対量計測を行った。その結果、低酸素特異的に変動する代謝酵素を同定することができた。
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