肝細胞特異的に変異型Braf遺伝子を発現するマウスは肺や腎臓で血栓性微小血管障害(TMA)を引き起こし死亡する。本研究では腫瘍随伴症候群として知られるTMAの原因を解析し,病態を明らかにすることを目的とした。 変異型Braf遺伝子を発現するマウス(TGマウス)の肝組織ではthrombopoietin (TPO) の発現が亢進していた。また,肝組織内のクッパー細胞では血小板の活性を促進するpodoplaninの発現が亢進していた。これらのことは肝腫瘍では腫瘍細胞からのTPO分泌過多により血小板数が増加し,podoplaninがその活性化に関与することでTMAの病態に関与していることを示している。
|