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2016 年度 実施状況報告書

成人T細胞白血病の発症後におけるHTLV-1のインパクト

研究課題

研究課題/領域番号 16K14623
研究機関独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター)

研究代表者

駒野 淳  独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 臨床検査科長 (60356251)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードHTLV-1 / ZFN / LTR / provirus / malignant phenotype / genome loss
研究実績の概要

1. ウイルスベクターの構築:Retro-X Tet-On Advanced Inducible Expression Systemを用い、HTLV-1 LTRを標的とするZFN1/2ペア(Tanaka A, et al. Leukemia 2013に記載)を同時に発現する実験系を構築し、293T細胞で作動確認を実施した。レンチウイルスベクタープラスミドpLVSIN-CMV PurとレトロウイルスベクタープラスミドpCMMPにZFN1/2ペアをIRESを挟んでクローニングし作動確認を実施した。作動確認はZFN1/2にはFLAGタグが付加されていることを利用し、anti-FLAGタグ抗体にてWestern blotを行い、ZFNタンパク質の発現を検出したうえで、Tanaka A, et al. Leukemia 2013に記載されたHTLV-1 LTR-firefly luciferase reporterあるいはdeletion Renilla luciferase reporterプラスミドとZFN発現ベクターのco-transfectionによるレポーターアッセイにて評価を行った。レンチウイルスベクターの作動が最も良好である事を確認した。
2. ZFN発現レトロウイルスの調整と細胞への導入
パッケージングプラスミド、VSV-G発現プラスミドおよびレンチウイルスベクタープラスミドをを293T細胞にco-transfectionし、培養上清からレンチウイルスを回収した。これを293T細胞に感染させ、感染細胞にZFN1およびZFN2両方が発現することをWestern blotにて確認した。感染させた細胞がpuromycinにて選択できることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ZFNの発現系を初年度の構築することを目標にしていたが、概ね達成された。

今後の研究の推進方策

樹立されたレンチウイルスを基盤としたZFN発現系をHTLV-1 provirus genomeが1コピーしかないことが知られているEDやTL-OmI細胞に適応し、puromycin処理された細胞をlimiting dilution法にて細胞のクローニングを行う。得られたクローンからDNAを抽出し、LTR領域およびgag領域のPCRを行う。LTR領域ではDNAの増幅が確認されるが、gag領域では増幅が見られないクローンが樹立できるか検証する。樹立できなかった場合にはプロウイルスのコピー数が多いS1T細胞で同様の実験を行い、プロウイルスコピー数が減少したクローンを樹立する。HTLV-1プロウイルスが除去されたED、TL-OmI細胞を用い、HTLV-1プロウイルスが細胞の悪性化にどの程度寄与しているのかを血清要求性試験、軟寒天における細胞増殖性試験、マウスにおける造腫瘍性試験にて評価する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画は概ね順調に推移し、要した経費もほぼ当初の予定通りであった。極めて小額が繰り越しとなったことは、計画通りに実行された中、経費の効果的な運用効果であったと考える。

次年度使用額の使用計画

細胞培養関連試薬、ウイルス精製用フィルター、トランスフェクション試薬、培養フラスコ、プラスチックピペット、遠沈管等は実験計画の中枢にありこれらを予算計上する。また、本実験では遺伝子クローニングにかかるPCR関連試薬、制限酵素、大腸菌培養用培地、培養用プレート、核酸分離精製試薬、核酸電気泳動用アガロース、核酸配列決定に関する消耗品、プラスチック器具に予算を計上する。in vivoにおける安全性試験についてはマウスを用いる予定であり、その評価には病理学的処理を行うため適切な試薬および外注項目の経費を計上する。円滑な研究活動の推進をはかるため、定型的な実験補助および資料整理と研究資料の収集等にあたる非常勤職員の人件費を計上する。さらに、情報収集と研究成果発信のため日本ウイルス学会、日本分子生物学会、日本癌学会等への参加について旅費等を計上する。

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公開日: 2018-01-16  

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