全ての真核生物においてmRNAの5’末端に付加されるcap構造は蛋白質の合成に必須であり、その欠損は致死となる。cap構造は転写と連携してcapping酵素により付加される。哺乳動物のキャップ構造は1つの蛋白質で合成される。一方、原虫や真菌ではCet1、Ceg1の2つの異なる蛋白質が結合することで1つの酵素として機能し、cap構造を合成する。すなわち、ヒトと原虫・真菌類ではキャップ構造を異なる素過程で合成する。本研究課題では「新規抗真菌薬創製を目指したRNAアプタマーの創製」を実施してきた。そして、これまでにモデルとした出芽酵母のcapping反応を選択的に阻害するアプタマーを取得に成功した。加えて、カンジダ(C. albicans)由来の高純度Cet1およびCeg1蛋白質の調製に成功している。それぞれのTPase活性およびGTase活性を測定するin vitro系および、in vitro結合解析系も構築も行った。
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