研究課題/領域番号 |
16K14676
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
岡 正啓 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 細胞核輸送ダイナミクスプロジェクト, プロジェクトリーダー (40432504)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 発現制御 / 細胞・組織 / 発生・分化 / Hox遺伝子 / Crm1 |
研究実績の概要 |
Crm1(Chromosomal Region Maintenance 1)は核外移行シグナル(Nuclear Export Signal; NES)を有するタンパク質を核から細胞質へと運ぶ核外輸送因子として良く知られる分子である。本研究では、Crm1が核内でHoxクラスター領域をはじめとする特異的なゲノム領域に集積して存在しているという現象に着目し、その分子基盤や生理的意義を明らかにすることを目的とする。本年度はHox遺伝子群の発現が大きく変動する胚性幹(Embryonic Stem; ES)細胞の分化誘導時におけるCrm1とゲノムDNAの相互作用の経時的変化を中心に解析を進めた。その結果、細胞分化に伴ってHoxクラスターゲノム領域とCrm1の相互作用が大きく変化することが明らかとなった。またHoxクラスター以外にも細胞分化に伴ってCrm1との結合の変動を示すゲノム領域が存在することが明らかとなった。今後Crm1の結合がエピジェネティック制御やクロマチン構造にどのような影響を与えるか、またCrm1がどのような因子と相互作用して機能しているかについて解析を進めてゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Crm1が常に一定のパターンでゲノムDNA上に存在しているのではなく、遺伝子発現変化を伴う細胞分化時にはそのパターンがダイナミックに変化していることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
Crm1の結合がクロマチン構造にどのような影響を与えるのかを明らかにする。またCrm1がどのような因子と相互作用してゲノムDNA上に存在するのか、その結合因子を同定し遺伝子発現制御との関連を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
安定した細胞分化誘導系の確立等の予備実験に予定より時間が必要となったため。しかしながら研究計画自体は順調に進んでいる。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は次年度の消耗品費として使用する予定である。研究計画に大きな変更等は無い。
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