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2017 年度 実績報告書

Klothoを介したFGF23の機能発現に重要な新規糖鎖に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K14695
研究機関京都大学

研究代表者

岡 昌吾  京都大学, 医学研究科, 教授 (60233300)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードαKlotho / 腎臓 / 糖鎖 / FGF23
研究実績の概要

αKlothoは主に腎臓で発現し、カルシウムやリン、ビタミンDの調節に重要なタンパク質であり、また、その欠損により骨粗鬆症や動脈硬化などの人の老化症状と類似した症状を示すことが知られている。αKlothoはC末側に膜貫通領域と短い細胞質領域をもつ分子量約130 kDaのI型膜タンパク質で、βグルコシダーゼに相同性を持つKL1, KL2のドメインを持つ。しかし、糖分解活性に必要とされるグルタミン酸が保存されていないことから、糖認識レクチンとして機能する可能性が示されている。そこで本研究ではαKlothoの機能発現機構について、腎臓やFGF23に見られる特徴的な糖鎖との関係を中心に解析を行い、以下の結果を得た。

1)αKlothoの機能発現の場である腎臓には、非硫酸化型HNK-1糖鎖(糖鎖末端にグルクロン酸を持つ)が発現している。α-Klothoマウスでは、腎臓における非硫酸化型HNK-1 糖鎖の発現が増加すること、また、自然老化マウスにおいても同様に非硫酸化型HNK-1 糖鎖の発現が増加することがわかった。さらに腎臓の機能障害を引き起こす処理(ストレプトゾトシン誘導性腎機能障害)を行ったところ、腎臓における非硫酸化型HNK-1 糖鎖の発現が増加することがわかった。

2)αKlothoのレクチン活性を確かめるためにαKlothoの膜貫通領域を免疫グロブリンのFc領域で置換した分泌型αKlotho (sKL-Fc)を培養細胞に発現させ、その培養上清から精製し、マウスの腎臓切片に反応させた。その結果、野生型マウス腎臓切片において強い反応性が見られた。一方、腎臓での非硫酸化型HNK-1糖鎖を欠損するマウス(GlcAT-S遺伝子欠損マウス)では、その反応性が著しく減少することが明らかとなった。

備考

研究室ホームページ
http://oka-lab.hs.med.kyoto-u.ac.jp

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Ribosomal protein uS7/Rps5 serine-223 in protein kinase-mediated phosphorylation and ribosomal small subunit maturation.2018

    • 著者名/発表者名
      Tomioka M, Shimobayashi M, Kitabatake M, Ohno M, Kozutsumi Y, Oka S, Takematsu H.
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 8 ページ: 1244

    • DOI

      10.1038/s41598-018-19652-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The role of human natural killer-1 (HNK-1) carbohydrate in neuronal plasticity and disease.2017

    • 著者名/発表者名
      Morise J, Takematsu H, Oka S.
    • 雑誌名

      Biochim. Biophys. Acta.

      巻: 1861 ページ: 2455-2461

    • DOI

      10.1016/j.bbagen.2017.06.025

    • 査読あり
  • [学会発表] N型糖鎖欠損体によるAMPA型グルタミン酸受容体の機構お解析2017

    • 著者名/発表者名
      森瀬譲二、鈴木健一、北川 英佳、山本 采季、竹内祐介、楠見明弘、竹松 弘、岡 昌吾
    • 学会等名
      第18回関西グライコサイエンスフォーラム
  • [学会発表] AMPA型グルタミン酸受容体のN型糖鎖修飾は、4量体形成と細胞表面への移送を制御する2017

    • 著者名/発表者名
      Kandel Babu Munal、緑川 良介、岡 昌吾、川崎 ナナ、髙倉 大輔、髙宮 考悟
    • 学会等名
      第40回日本神経科学大会
  • [学会発表] ストレプトゾトシン誘導性腎機能障害マウスにおける非硫酸化型HNK-1糖鎖の発現解析2017

    • 著者名/発表者名
      北野仁望、森瀬譲二、岡昌吾
    • 学会等名
      第57回日本臨床化学会年次学術集会
  • [学会発表] 抗MAG抗体ニューロパチーにおける抗体affinityの継時的変化と臨床経過の比較2017

    • 著者名/発表者名
      松井太郎、濱田征宏、桑原基、森瀬譲二、岡昌吾、楠 進
    • 学会等名
      第29回日本神経免疫学会学術集会
  • [学会発表] イオンチャネル型グルタミン酸受容体に観察される糖鎖の厳密な発現制御2017

    • 著者名/発表者名
      岡 昌吾
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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