全能性は単独の細胞が自律的に発生を開始して個体を形成する能力であり、哺乳類では着床前初期胚にのみその能力が備わっているが、その分子基盤は不明である。一方、生物の体内には多様な糖鎖が存在し、組織や細胞が持つ固有の機能の発揮に深く関わっていることが示唆されているが、その生理的役割・機能は未解明の部分が多い。本研究では、全能性の分子基盤における糖鎖修飾の機能・生物学的意義を明らかにすることを目指し、全能性の消失と関連する4細胞期胚特異的糖鎖修飾およびその制御因子の同定に成功し、同定した4細胞期胚特異的糖鎖修飾がマウス着床前初期胚発生において重要な役割を果たすことを明らかにした。
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