血清中に新たに同定されたシアリル遊離糖鎖の解析を行った。様々な哺乳動物由来の血清中の主要の糖鎖構造を決定し、ウシ血清に関しては様々な成育ステージにおける糖鎖構造の変化を解析した。その結果、血清遊離糖鎖は肝臓から分泌され、肝臓での発現遺伝子の差異によって構造が規定されている可能性が示唆された。更に肝がん患者由来の血清シアリル糖鎖と健常人のそれを比較したところ、主要な2本鎖ジシアロ糖鎖の量が肝がん患者血清で有意に上昇しており、血清遊離糖鎖が肝臓の病的状態を検知するバイオマーカーとしての役割を果たす可能性が示された。
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