研究課題/領域番号 |
16K14702
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
大竹 史明 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (60447373)
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研究分担者 |
安彦 行人 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (40370944)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ユビキチン |
研究実績の概要 |
ユビキチン化は重要な翻訳後修飾であり、多様な生命機能を担っている。ユビキチンの多彩な機能の分子基盤は、ポリユビキチン鎖の構造的な多様性にある。すなわち、ユビキチン鎖の連結タイプの違いにより異なる細胞内機能を発揮することが知られている。しかしながら、異なる連結型のユビキチンが分岐して連なった分岐型ユビキチン鎖の機能に関してはこれまで明確な測定方法が存在せず、その存在量や機能に関しては不明な点が多い。 本研究では、細胞内で最も主要なユビキチン修飾であるK48鎖とK63鎖に着目し、分岐型ユビキチン鎖のレポーターシステムによる定量解析を行った。動物個体レベルにおいてどの程度分岐型ユビキチン鎖が存在するかを検討するために、変異型ユビキチン(分岐レポーター)を発現するトランスジェニックマウスの作製を行った。CAGプロモーター下流に変異型ユビキチンを発現させるコンストラクトを作製した。これまでに3系統が出生した。 次に、マウス組織において変異型ユビキチンの発現を確認するために予備的検討を行った。定量的な質量分析技術であるParallel Reaction Monitoring (PRM)法と安定同位体標識した標準ペプチド(AQUAペプチド)を用いた定量的な測定を行った結果、上記3系統で変異型ユビキチンが発現していることが示唆された。そこで今後はこのレポーターマウスを用い、動物個体レベルにおける分岐型ユビキチン鎖の存在量や、時期組織特異的な変動について詳細に解析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異型ユビキチンを発現するトランスジェニックマウス系統の作製に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
動物個体レベルにおいて、分岐型ユビキチン鎖の存在量や、時期組織特異的な変動について詳細に解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
トランスジェニックマウス作製の手技が安定化したことによる効率化のため。
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次年度使用額の使用計画 |
マウスからの試料作製に必要な消耗品に充てる。
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