本研究では、生体内と同様にタンパク質分子の拡散運動が空間的に制限される条件下でお互いにどのように相互作用し、機能発現するのか解析した。F-アクチンに対して高い親和性を持つMAP2やMAP4はF-アクチン共存下で微小管重合促進活性が亢進されたが、F-アクチンに対する親和性が低いtauの微小管重合促進活性は亢進されなかった。また、アミロイドβの凝集を量子ドットを用いてリアルタイムイメージングした結果、培養細胞共存下で凝集が促進される様子が観察された。以上の結果は、F-アクチンや細胞膜との相互作用によるタンパク質分子の拡散運動の抑制がタンパク質の機能発現に大きく影響することを示唆した。
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