顕微ラマン分光法で細胞内化学種組成の細胞間分布と単一細胞内時間ゆらぎを計測し、成長因子など外来信号に対する細胞応答性との関係を調べた。 倒立顕微鏡を本体とする長期細胞観察が可能な計測システムを開発し、ラマン散乱スペクトル集団の主成分分析を行って、第5主成分までが主要な成分であることを確認した。ヒト乳癌由来の培養細胞MCF-7を用い、通常の培養条件と、乳腺様の性質が現れるHRG添加による分化条件を比較したところ、HRGの有無だけでなく、細胞増殖によってもスペクトルの変動が現れることが明らかになった。また、自家蛍光のスペクトルも細胞分化・増殖によって変動することが示唆された。
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