昨年度までに、基本的な全反射蛍光顕微鏡と分散型イメージング分光器を利用したイメージングシステムを構築した。しかしながら、本手法のキーテクノロジーである回転光学素子が、機械的に不安定であったため、複数の分光像間の位置関係にずれが生じてしまい、画像の回復が非常に困難であった。そこで、像回転光学素子を新たに設計し加工業者に特注した。新たな像回転光学素子では、3枚のミラーを一体型のケース内で固定することにより、安定性を向上した。これにより、回転中に位置ずれがほとんど生じなくなった。この素子を用いて、分光イメージを安定的に取得できるようになった。複数の異なる発光波長の量子ドットを多数ばらまいた試料を用いて、画像回復を試みたところ、高精度でハイパースペクトル画像を回復することに成功した。
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