研究課題/領域番号 |
16K14718
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山崎 正和 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40373378)
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研究分担者 |
秋山 正和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10583908)
鮎川 友紀 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80586165)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 発生・分化 / 細胞・組織 / 平面内細胞極性 / 数理モデル / PCP |
研究実績の概要 |
平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)は、組織平面において細胞集団の向きが特定の方向に揃う現象である。これまでPCPの制御分子は、コアグループとDachsous(Ds)グループの二つに大別され、両者の恊働作用によりPCPが形成されると考えられてきた。しかしながら、興味深いことに、研究代表者が同定した第三のPCP制御グループ(Jitterbug(Jbug)グループ)とコアグループに属する分子を同時に欠損させると、野生型ショウジョウバエと比較して、毛の向きが逆転する。本研究では、数理モデルと実験を駆使して、PCP逆転現象の分子機構の理解を試みる。 これまでに我々は、北海道大学の秋山正和博士との共同研究により、ショウジョウバエ翅におけるPCPの数理モデルを構築している(Ayukawa et al. Cell Reports, 2014)。実験で得た知見をシミュレーションにて検証するため、上記の数理モデルを改良して、実際のショウジョウバエ背板の細胞数および剛毛の位置、形態を反映した数理モデルを構築した。また、複数のJbugグループ遺伝子とコアグループ遺伝子を三重にノックダウンしたショウジョウバエ背板を観察することで、外力の作用部位をより精緻に把握し、この結果を上述のモデルに反映させた。改良型の本数理モデルを用いて、様々な条件でシミュレーションを行い、PCP逆転現象を再現できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際のショウジョウバエ背板の細胞数および剛毛の位置、形態を反映した数理モデルを構築でき、ほぼ予定していた通りに研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
数理モデルと実験で得た知見を双方向にフィードバックすることで、仮説の提示と検証を繰り返し、PCP逆転現象の分子機構の理解を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の関係上、平成28年度は数理モデルの解析を中心に行った。そのため、消耗品等の購入が必要な一部の実験を平成29年度に実施することになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の経費とあわせて研究を効率よく進める。
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