研究課題
挑戦的萌芽研究
動物の形態形成について、初期胚での研究は進んでいるが、一方で成体のプロポーションがどのように決められているかに関する知見は現在でも極めて乏しい。脊椎動物の場合、一般的には成体の形態は骨の形態に依っていると考えられてきた。本研究で、我々は独自に改良したトランスジェニック技術を用いて、ゼブラフィッシュのヒレ大きさの制御と、ヒレを構成する骨の長さの制御にはイオンチャネルを介した共通のメカニズムが使われているにもかかわらず、それぞれの制御は別々の細胞種によって完全に独立して行われていることを見出した。
発生生物学
電気シグナルの実態を担うイオンチャネルは遺伝子の数が非常に多く、従来のように個々の遺伝子に注目した方法では生体内での機能を解析することは難しい。本研究では発現効率を大幅に向上させたトランスジェニック技術を開発し、これを用いて標的細胞で特異的にイオンチャネルの機能を操作することに成功した。また、同技術を用いてチャネルロドプシンを導入し、光照射依存的に骨の形態を変化させることにも成功している。この技術を応用することで形態形成における電気シグナルの時空間的な操作が可能になるだろう。