胎齢7.5から7.75日に脊索前板からのShhシグナルによって神経板の正中部が決定されるが、その過程が妊娠期間中の糖尿病の罹患によって影響を受け正中欠損の原因となる可能性が示唆されている。一方、胎齢14日齢ではShhは大脳皮質の神経幹細胞に対して分化誘導作用があることがわかっている。初期胚での正中決定も後期胚での大脳皮質の発達も妊娠糖尿病に敏感であり、その影響によって先天奇形、知能発達障害、自閉症等のリスクが増加するとの報告がある。糖尿病による正中欠損や発達障害発症機構の理解のため、高血糖環境がShhシグナルの作用に干渉する可能性の検証を行った。
|