ハエの翅の剛毛や哺乳類内耳の有毛細胞等の毛はそれらの配向が一様に揃っている。このように個々の細胞の極性(細胞極性)が、組織平面内の特定の方向に揃っていることを平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)と呼んでおり、生物の高次機能に大切である。動物に比べ植物ではPCPを制御する分子基盤の解明はあまり進んでいない。そこで我々はヒメツリガネゴケの原糸体がPCPの仕組みの研究に優れていることに注目し、本研究において独自に単離した植物特異的な貫通型タンパク質が植物ホルモンであるオーキシンや細胞骨格系の微小管とともにPCP制御に重要であることを明らかにした。
|