細胞内には還元的に保たれるレドックス恒常性が機能している。しかし、呼吸活性や光合成活性の変化によって酸化的になったり、過剰に還元的になったりと変化する。我々は、緑藻クラミドモナスの細胞内が酸化的になると正の走光性、過剰に還元的になると負の走光性を示すことを指標にして、走光性と細胞内レドックス状態の関係が崩れているミュータントの単離に成功した。これらの株には光合成活性が低下するという異常があった。残念ながら期間中に原因遺伝子の同定にはいたらなかったが、葉緑体の中で起きている現象が細胞の運動方向を規定するという興味深い現象を見出すことができた。今後原因遺伝子の解明を急ぐ。
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