研究課題
挑戦的萌芽研究
植物は、葉以外の器官でも、緑色をしていれば光合成の活性をもつものが多い。実際に多くの果実表面は葉に匹敵する光合成を行なう。一方で、光の弱い果実内部も緑色である場合の光合成の意義は、不明であった。本研究では、そのような果実内部の光合成を、複数のマメ科植物の果皮において比較した結果、莢の中の豆が葉とは異なる特徴を持つ光合成の能力を持つことを明らかにした。そのような特徴は、果実の発達の特定の時期にのみ見られるものではなく、また、莢の中の光環境の影響を直接的に受けるものではない。
植物生理学
科学が高度に専門化され、タコ壺化する傾向が強い現代において、本課題は、高校生でも発するような素朴な疑問を追いかけた研究である点に特徴がある。素朴な疑問を素朴な手法で解析するだけでは、単なる夏休みの自由研究になってしまうが、本研究では、素朴な疑問を最新の解析手法を用いて解析しており、得られた結果を一般向けに解説することにより、科学研究の本来の面白みを伝えていけると考えている。