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2018 年度 実績報告書

植物の連続光障害の克服に向けた分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K14763
研究機関岡山県農林水産総合センター生物科学研究所

研究代表者

後藤 弘爾  岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, その他部局等, 専門研究員 (00251489)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード植物の連続光障害 / トマトゲノム / 概日リズム / 光障害
研究実績の概要

連続光障害耐容性を示す栽培トマト品種(R品種)と連続光障害感受性の品種(S品種)とを交配して得られた雑種第2世代から選抜した連続光障害耐容性個体を用いて、全ゲノム解析を行い、1塩基多型(SNP)解析を行った。その結果、R品種型SNPは染色体6番下腕に集積していることが分かった。その領域に座乗し、かつR品種とS品種の遺伝子間でアミノ酸配列が変化する遺伝子を探したところ、72個の遺伝子が該当した。
一方、R品種とS品種とをそれぞれ16時間明期8時間暗期(LD)条件で栽培したものと、連続光条件(LL)で栽培したものとについて、完全展開葉を用いて比較トランスクリプトーム解析を行った。品種間および栽培条件間(LDとLL)の比較により、発現量が2倍以上または1/2以下に変化する遺伝子を抽出した。しかしながら、この中には上記SNPを持つ72個の遺伝子は含まれなかった。また、ホモロジー検索等によってそれらの機能を推定したが、多くが機能未知遺伝子であった。
以上の結果を踏まえ、再度連続光障害の発生機構を生理学的に見直すため、光合成速度、クロロフィル含量、デンプン粒の蓄積量、活性酸素含量、カルテノイド含量、アントシアニン含量を、LD条件で栽培したものと、LL条件で栽培したものとについて、完全展開葉を用いて測定した。その結果、光合成速度の指標の一つ、光化学系Ⅱ(PSⅡ)の最大量子収率(Fv/Fm)とクロロフィル含量について、S品種では、LD栽培に比べLL栽培では有意に値が減少したのに対し、R品種では、LD栽培とLL栽培とで有意差が無いことが明らかとなった。
今後、比較トランスクリプトーム解析の結果から絞り込まれた遺伝子を、光化学系Ⅱとクロロフィル含量に関連するものに絞り込み、責任遺伝子の特定を続けていく計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] Day-length dependent flowering time regulation in tomato.2019

    • 著者名/発表者名
      Chie Moriya and Koji Goto
    • 学会等名
      The 60th Annual Meeting of the Japanese Society of Plant Physiologists
  • [学会発表] 高温短日条件下の育苗がトマト一般品種の生育に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      磯山陽介・谷本恵美・山田瑞樹・今西俊介・後藤弘爾・礒崎真英
    • 学会等名
      園芸学会平成31年度春季大会
  • [学会発表] Structural and functional analysis of tomato flowering genes belong to FT clade.2018

    • 著者名/発表者名
      Goto, K., and Moriya, C.
    • 学会等名
      The 25th International Congress on Sexual Plant Reproduction.
    • 国際学会
  • [学会発表] Analysis of the genes that regulate tomato flowering by using tomato wild relatives and genome editing system.2018

    • 著者名/発表者名
      森谷智恵、後藤弘爾
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [産業財産権] 花成が促進されたトマト植物及びその生産方法2019

    • 発明者名
      後藤弘爾、森谷智恵
    • 権利者名
      後藤弘爾、森谷智恵
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2019-028255

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公開日: 2019-12-27  

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