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2017 年度 実施状況報告書

新規視床下部小タンパク質の標的細胞及び受容体の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K14769
研究機関広島大学

研究代表者

浮穴 和義  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10304370)

研究分担者 岩越 栄子  広島大学, 総合科学研究科, 研究員 (50311296)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード視床下部 / 標的細胞
研究実績の概要

研究代表者は、鳥類の視床下部から新規分泌性小タンパク質であるNPGLを発見している。これまでニワトリ、ラット、マウスを用いた解析から、NPGLは体重変化や摂食行動に関与していることを見出している。しかしながら、NPGLの作用機序の解析を行うためには、NPGLの標的細胞と受容体の同定が必要不可欠となる。
前年度までにマウスの視床下部におけるNPGLの神経線維の投射から、NPGLの標的細胞の一つがPOMCニューロンである可能性を形態学的手法を用いて明らかにできた。さらに、標的細胞を検出するために、ex vivo実験により、NPGLの標的細胞を検出することを試みた。
具体的には固定していないNPGLスライスを作成し、NPGLを標本に投与し、細胞に結合したNPGLを検出することで、標的作用部位を解析した。しかしながら、この手法ではNPGL標的細胞は検出できなかった。もう一度、固定した脳スライスでのNPGL神経線維の投射部位を検討したところ、神経線維がはっきり観察できる個体と観察しづらい個体があることを見出した。現時点ではこの個体差が生じる理由はわかってはいない。
そこで、個体差の少ないニワトリを用い、NPGLの投射先を解析した。その結果、NPGLの神経線維は視床下部漏斗部内に限局していることを見出し、この視床下部領域が作用部位であると推測された。現在、NPGLと結合するタンパク質を質量分析法で同定する試みを行っている最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

標的細胞が存在する脳領域として視床下部内であることを明らかにできたが、個体差の関係から、より詳細な解析には至らなかった。現在、生化学的な受容体同定のために実験手法の確立を行っており、次年度の飛躍的なデータ収集を期待しているところである。

今後の研究の推進方策

視床下部領域から膜タンパク質を抽出し、NPGL抗体カラムに通し、結合したタンパク質を質量分析計を用いて網羅的に解析する予定でいる。この中にNPGLの受容体が存在していると考えており、さらに培養細胞に候補タンパク質を発現することで受容体結合実験を進める。このようにしてNPGLの受容体を同定できると期待している。

次年度使用額が生じた理由

予備的解析により期待した実験が進まず、実験方法の再検討が必要となった。そのため、次年度の実験遂行のためには予算を残しておく必要があり、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2018-12-17  

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