研究課題
本研究課題において、まず我々は独自に開発した Bgl アプタマーを用いて RNA を可視化する手法を開発した(Ref 1)。我々はさらに、この RNA 可視化法と超解像顕微鏡を組み合わせて、RNA 分子を光学的空間分解能の限界である 200 nm を越えたスケールでの解析することを試みた。対象とした RNA 分子には X 染色体不活性化に必須の non-coding RNA である Xist RNA を用い、Xist RNA と結合することが予想されるポリコーム複合体 PRC1 と Xist RNA の空間的位置関係を、超解像顕微鏡である構造化照明法顕微鏡(3D-SIM)を使って解析した。まず、細胞を化学的に固定した状態での解析を行った結果、PRC1 のサブ複合体である PCGF3/5-PRC1 と Xist RNA が 150 nm 程度の距離で近接することを示した(Ref 2)。本研究課題では、従来は固定細胞で用いられてきた超解像顕微鏡による解析にライブイメージングの手法を組み合わせて、超解像ライブイメージングを実現することを試みた。まず従来の 3D-SIM をライブイメージング解析することを試みたが、励起光を最大限に絞り込んだ場合でも光毒性により細胞の状態を大きく損ねる事が明らかになった。現在は 3D-SIM ではなく、通常の落射蛍光顕微鏡と super-resolution radial fluctuations (SRRF) (Ref 3)を組み合わせて、光毒性を大幅に軽減した状態での超解像ライブイメージング解析法の実用化に取り組んでいる。Ref 1: Methods Mol Biol, in pressRef 2: Science, 2017, 356, 1081-1084Ref 3: Nat Commun, 2016, 7, 12471
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件)
Methods in Molecular Biology
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Science
巻: 356 ページ: 1081-1084
10.1126/science.aal2512
Elife
巻: 6 ページ: e27970
10.7554/eLife.27970